もがにっき

転勤族の妻で地方在住の会社員です。2020年5月に男の子が生まれる予定。遊び、暮らし、節約、子育てについて。どんなときも家族で日々笑ってる暮らし。

子どもを亡くして、生きようと決めた日

こんにちは、さおりです。

今日は、自分の気持ちが変わった出来事について書きます。

 

心のどこかで「生きていたくない」と思っていた日々

夫はたまに、

「俺はね~、年取って死ぬとき「あとはよろしくな」って言って、さおりちゃんに看取られるのが夢なんだ~」

と言う。

わたしは今まで、ずっとなんとなく、人とうまくやってけなくて何もいいところがない性格で、自殺自傷はしないけれど生きているのがしんどいなと思ってきたタイプの人間だ。

夫はたぶん、そういうネガティブなことは夢にも思わないタイプの人間。

なので冒頭のことを夫に言われると、「家系的に、うち短命家族で夫家まじ長命だから、その願い叶えてあげられそうにないな。そもそもこんな大変な世の中で長生きしたくないな。」と心の中で思っていた。言い換えれば「死ぬまでずっと一緒にいよう」と言ってくれている人に対して大変失礼なのは重々承知の上、でも本音はそう思っていた。

 

家族を生かさない決断、生かす決断

私たちは待望の子どもを妊娠した。

安定期に入って1か月ほどが経ち、そろそろベビーカーとかチャイルドシートをそろえていかないとね、と西松屋などに行っていたある日。

検診で子どもに重大な異常が見つかった。

妊娠初期にも先天的異常の可能性がかなり高い兆候があり、異常があるか調べる検査をするかしないか決断をしなければならなかった。私たちはほぼ迷わず、育てられないような異常であれば堕ろすことを考え、検査を受けた。幸い検査の範囲では異常がなく、やっと心から子どもが産める喜びをかみしめていたところだった。

また、産むか産まないか、選択が迫られた。

検査も無事終わりもう何もなく産めるものだと思っていたので当然産んであげたい。けれど、もし生き延びられたとしても障害が残ったり、長く生きられない可能性は大いにある。

以前だったらおそらく産まない選択をする条件だった。その時はそりゃ辛いし悲しいだろうけど、仕方がないことは仕方がないことだし、ドライに割り切れるだろうと思っていた。

けれど、3週間くらい前から胎動を感じていた私は、この子が大切な家族であると心に突き付けられていて、頭ではわかっていても堕ろすことはできなかった。

2か月前は逆の選択をしていたのに。

私たちのところにきてくれた子どもを、二人で産むことに決めた。

 

自分も夫の大切な人だった

その後すぐ、胎動が感じられなくなり、子どもは亡くなってしまった。

家族が急にいなくなった。

もしかしたらちゃんと育たないかもしれないと覚悟を決めていたのに、

ドライに割り切れると思っていたのに。

家族は、大切な人は、感情を割り切って何かで埋められるものではなかった。

うまく表現できないけれど、とにかく生きててくれないとダメなのだ。

私は大切な人がいなくなる恐怖に苛まれるようになってしまった。

もしまた同じことが起きてしまったら、と。

そして、夜寝る前に、あした夫が事故に巻き込まれたらどうしようと考えるようになった。お願いだから1日無事に過ごして元気に帰ってきてほしい。早く仕事から帰ってくる夫に会って安心したい。もうこんな悲しい思いは二度としたくない。

これはきっと、夫も私に対して思っていてくれていることなのだ。私は自分の子どもを亡くしてやっと、私も誰かの大切な人の一人だと気づいた。私に元気に帰ってきてほしいと願ってくれている人もいるのだと。

妊娠してからずっと、夫は赤ちゃんを愛すると同時に私のことも大切だと言い続けてくれていた。大切な人に大切だとはっきり伝えられる人が、世の中にどれだけいるだろう。あんなにわかりやすく言ってくれていたのに、なぜ私はその言葉を受け取れていなかったのだろう。自分を大切にしなかったのだろう。

 

夫の隣を歩んでいけるように、長生きしようと決めた

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今もメンタルは以前と同じだ。

人とうまく仲良くなれなくて、思いやりがなくて、仕事もうまくできなくて、自分に自信がないくせに不遜で傲慢な自分が大嫌い。生物として生きていることに向いてないな、とは今でも思う。

でも、夫を笑顔で看取ってあげられるよう、健やかに長生きしようと心から考えるようになった。

まだ結婚して2年。これからいろいろあるだろうし、もしかしたら夫婦仲が変わることもあるかもしれない。

でも、今までずっと心のどこかで「生きていたくない」と思い続けていた人生で、曇りなく「生きていよう」と思えた時間ができたことが本当によかった。生きててよかったな。夫よ、本当にありがとう。いつまでも元気で長生きしてね。

私たちの大切な赤ちゃん、きてくれてありがとう。また会おうね。